ミルクケフィアとは?
家庭でも簡単に作れるミルクケフィアは、優れた発酵食品です。
ヨーグルトと混同されがちなのですが、全く違うものです。そこで、ミルクケフィアとはどのようなものなのか、効果や作り方などについて、詳しくご紹介しましょう。
ご家庭でヨーグルトを作られる方もいらっしゃると思いますが、ヨーグルトよりも簡単に作れますので、是非試していただきたいです。
『ミルクケフィア』とは
ミルクケフィアとは、乳酸菌と酵母菌で発酵させた乳製品です。
世界三大長寿国の一つとして有名なコーカサス地方で、2000年以上も前から受け継がれている発酵乳です。コーカサス地方の人々にとっては特別なものではなく、普段の食生活で取り入れられている食べ物です。
ミルクケフィアは、ケフィア粒と呼ばれる粒を牛乳の中に入れて発酵させます。
この粒がいつどのようにしてコーカサス地方にもたらされたのかは不明ですが、乳酸菌と酵母菌の絶妙なバランスが、長い間コーカサスの人々の健康を支えてきました。
酵母菌が入っていることで、ヨーグルトにはないケフィア独特の爽やかな風味が楽しめます。
『ケフィア』と『ヨーグルト』の違い
日本では「ヨーグルトきのこ」「ケフィアヨーグルト」などと呼ばれることもありますが、ケフィアとヨーグルトは全く違うものですので、この呼び方は正確ではないでしょう。
また、カスピ海ヨーグルトと混同されている方もいますが、これも違います。
ヨーグルトに含まれているのは乳酸菌のみです。
乳酸菌の種類は複数ありますが、国際食品規格では、「ブルガリア菌、サーモフィラス菌の2種類で乳酸発酵したもの」と定義されています。
日本国内でのヨーグルトの定義は、乳酸菌の数についての基準はありますが、種類については決められていません。ですから、ビフィズス菌、ガセリ菌など複数の乳酸菌が含まれているヨーグルトも売られています。いずれにしても、乳酸菌のみで作られているのがヨーグルトです。
それに対してミルクケフィアは、乳酸菌と酵母菌の共生発酵であり、乳酸菌が生きたまま腸に届くのが特徴です。
発酵温度も、ヨーグルトが40℃〜45℃であるのに対し、ミルクケフィアは20℃〜30℃なので、家庭でも簡単にできるのが大きなメリットです。
ミルクケフィアの効果
ミルクケフィアの乳酸菌は朝までしっかり届きますので、
- 腸内の善玉菌の増加
- 悪玉菌に対する抗菌効果
など、腸内環境の改善に役立ちます。
腸内環境が整ってくると、免疫力の向上だけでなく、美肌作りにも役立つでしょう。
実際、動物実験において、ミルクケフィアは免疫システムを刺激する効果や抗アレルギー効果を発揮することがわかっています。ミルクケフィアの効果によって、アレルギー反応の元となるIgE抗体の量が減少するというデータもあり、アレルギー疾患の改善や予防効果が期待されています。
牛乳を発酵させていますので、タンパク質やビタミン類も豊富に含まれている、バランスの取れた栄養食といえるでしょう。
牛乳を発酵させて作るミルクケフィアは、ケフィアグレイン(ミルクケフィア粒)という種が必要です。見た目は、小さなカリフラワーのような形をしています。
このケフィアグレインと牛乳があれば、ご家庭でも簡単にミルクケフィアを作ることができます。
まず、購入したばかりのケフィアグレインは乾燥していますので、活性化させる必要があります。牛乳の中に入れ、常温で24時間発酵させましょう。
ケフィアは金属が苦手なので、ガラスもしくはプラスチックの入れ物をおすすめします。
ケフィアグレインを濾して牛乳を捨て、もう一度牛乳につけて発酵させ、この工程を1週間ほど繰り返します。
さて、ケフィアグレインが活性化したら、いよいよミルクケフィア作りに入りましょう。
活性化したケフィアグレインを牛乳に入れて、常温で24〜48時間発酵させれば出来上がりです。発酵していますので、容器は密閉しないように気をつけてください。
発酵が済んだらケフィアグレインを濾して、ミルクケフィアと分けましょう。分けたケフィアグレインはまた新しい牛乳に入れて発酵させれば、ミルクケフィアを作り続けることができます。
できたミルクケフィアは冷蔵庫で保管します。1週間ほどで使い切りましょう。
発酵をお休みしたいときには、ケフィアグレインを牛乳に入れた状態で冷蔵庫に入れておきます。発酵が止まるわけではなく、遅くなるだけですので、週に1度くらいは容器の蓋を開けてください。
※活性化・発酵方法の詳細な説明書は製品に同封しております。
既に作られたケフィアを購入することはできないの?
ケフィアグレインを牛乳につけるだけで発酵が簡単にできるのはわかったけれど、そもそも出来上がったものを購入することはできないの?という疑問があると思います。
ヨーグルトは家庭でも作れますが、たくさんの種類のヨーグルトが売られていますよね。
ミルクケフィアは酵母菌が生きていますので、発酵の過程で炭酸ガスが発生します。ご自宅で酵母を育てたことのある方ならお分かりだと思いますが、プツプツと小さな泡が立ってきますよね。これを密閉した容器に入れると、容器が破裂してしまう危険があります。
しかし、日本では食品を販売する際に、容器の密閉が義務付けられているため、破裂の恐れのあるミルクケフィアを売ることは難しいのです。
発酵を止めてしまえば売れないことはないでしょうが、それではせっかくのミルクケフィアの効果も半減してしまいます。
ですから、ミルクケフィアを楽しむには、ケフィアグレインを使ってご家庭で発酵させるのが一番なのです。
ミルクケフィアの美味しい食べ方
ミルクケフィアは、ヨーグルトというよりもドリンクに近く、サラッとしています。
そのまま飲む他、シリアルにかけたり、スムージーに入れたり、牛乳と同じような感覚でいろいろな食べ方を楽しんでください。
甘味が欲しい方は、ドライフルーツやジャムを入れても美味しいですよ。黒蜜&きな粉を入れると、コクのある味わいになります。
まとめ
ミルクケフィアは、乳酸菌と酵母菌を含む発酵乳です。生きたまま腸まで届くので、腸内環境の改善が期待できます。
ケフィアグレインと牛乳があれば、ご家庭でも簡単に作ることができます。常温で発酵させられるので、ヨーグルトを作るよりも簡単でしょう。
できたミルクケフィアは、そのまま飲むほか、シリアルにかけたりジャムを入れたり、様々な楽しみ方ができます。
長寿で知られるコーカサス地方の人々の健康を支えてきたミルクケフィアを、ぜひご家庭でもお楽しみください。
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酸味は控えめで口当たりはさらっとしドリンクに近い飲みやすさ、ヨーグルトより乳酸菌
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